2019年8月24日 (土)

アジアゾウの「妊活」

アジアゾウの繁殖に関しては、
メスの移動という形で各園での動きがあります。

ズーラシア(横浜市)では開園以来、ラスクマル♂(29歳)、
チャメリー♀(28歳)、シュリー♀(24歳)の3頭を飼育し、
繁殖のための努力もされていましたが、
なかなか結果につながらないため、
チャメリーが2016年9月に金沢動物園(横浜市)へ移動となりました。
しかし、ここでも思うような結果が出せず、今年3月に豊橋へと移動。

豊橋のダーナ♂(推定48歳)はアーシャー♀(推定42歳)との間に、
2頭の赤ちゃんを誕生させていますが、残念ながら2頭とも死亡。

もともと上野動物園で飼育されていたアーシャーは、
ダーナとの繁殖を目指して2009年に豊橋へ。
アーシャーとダーナの相性はとてもよかったそうで、
2011年9月17日にマーラ♀が誕生。

しかしアーシャーは育児の仕方がわからなかったため、
自分で育てることができませんでした。
マーラ♀は人工哺育で1歳の誕生日を迎えることができたものの、
その2週間後に放飼場でつまずき、右前肢を痛めてしまいます。
その右前肢をかばっていたために左前肢も痛めてしまい、両前肢を骨折。

その後、プールでのリハビリなどを続けてきましたが、
2017年8月13日に死亡。死因は腸ねん転と推定。

2016年10月27日に誕生したラージャ元気♂は、
アーシャーが市原ぞうの国へ移動して出産。
ここでも育児はできませんでしたが、
ラージャ元気はヤギのミルクで元気に育ちました。
しかし、2017年12月14日に心不全で急死。

2頭は本当に残念でしたが、
ダーナは「結果」を出せているので
チャメリーとの相性次第ということになります。

市原ぞうの国からも移動がありました。
ゾウは一般的に10代で第1子を出産することが理想とされることから、
ゆめ花(12歳)は、2017年11月に沖縄こどもの国へ移動して
琉人♂との繁殖を目指しました。
琉人♂は2015年に琉花♀との間に
琉美♀を誕生させましたが、残念ながら琉美は2018年1月22日に死亡。
死因は「ゾウの血管内皮ヘルペスウィルス」。


ゆめ花は琉人と仲良くはなれたが交尾には至らず、繁殖を断念。
2018年7月に帰園しました。

そして現在、宮崎市フェニックス自然動物園からは
みどり♀(18歳)が移動しています。
みどり♀は、2005年にタイからたいよう♂と一緒に来園し、
2頭はとても仲が良かったようですが、2014年に「たいよう」が死亡。
パートナーがいなくなってしまったので、
実績のあるマック♂(27歳)との繁殖を目指して
2018年7月、王子動物園に来園。

こちらも思うような結果はでていないようですが、
当初は最長で2019年6月の予定だったのが、9月まで延長されました。

ちなみに、マックはズゼ♀との間に
2004年にモモ♀、2007年にオウジ♂を誕生させましたが、
(この2頭のほか、第1子は死産)
ズゼは育て方がわからなかったため人工哺育になり、
骨形成不全により、骨折の末に2頭とも死亡。
2014年にはズゼが市原ぞうの国へ移動して、結希♂を出産。
同園のプーリー♀が乳母となり、元気に育っています。
※ズゼは生後3ヶ月で母親と死別し、その後は人工哺育。

話をみどりに戻します。
私は直接見たわけではありませんが、
みどり♀はズゼ♀(29歳)にもとてもなついていて、
メスとの同居も楽しんでいるようです。

せっかく新しい環境にも慣れて、メス同士のつながりも生まれたのに、
このまま結果を出せずに帰ることになるのでしょうか・・・。
結果が出なかったら、また別の相手を探すのでしょうか。

仲良くなれても「結果」を出せないケースは、
何が問題なのでしょうか。。。

人間だって、いろんな「仲良し」があるので
きっと、ゾウの世界でも同じなのでしょう。

しかし、「移動してみなければわからない」というのは、
ゾウにも負担がかかるので、やはり理想は、
広い放飼場で複数のオス・メスが飼育されている中から、
気に入った相手を選ぶという方法なのでしょうか。

ブログ内関連記事 ゾウの飼育環境と繁殖の関係

繁殖の問題としては、実績のあるペアでも
メスが「育てられない」ケースがあります。

生まれてみなければわかりませんが、
生まれてからでは遅いので、この問題への対策も考えていかないと
国内での繁殖を成功させることは難しいかもしれません。

登場人物(?)多かったので、ここまでは敬称略(^^)。

個人的には、ズーラシアにゆめ花ちゃんかみどりちゃんに
来てもらいたいな~と思ったりしています。

ズーラシアでの様子を見ていると、
年齢はシュリーさんの方が年下ですが、
ラスクマル君の方が子どもっぽく見えてしまいます(汗)。

シュリーさんはお姉さん的なポジションで、
はしゃぐラスクマル君を冷めた感じて見ていることも・・・。

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ズーラシアのシュリー♀(左)&ラスクマル♂(右)(2019年6月に撮影)

ラスクマル君、もう29歳なんだよ・・・。
子ゾウのようにはしゃいでいないで、「大人の男」にならないと。

ラスクマル君にはまだ実績はありませんが、
10代のお嬢さんが来てくれたら、
ラスクマル君も大人な雰囲気を出せるのでは・・・と思ったり。

そうしたら、シュリーさんともうまくいったりするかも・・・、
などと、勝手に妄想しています(^^)。


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2019年8月23日 (金)

新たな環境になかなか馴染めなかったゾウ その2

前回は、東山動植物園のワルダーさんの事例を書きましたが、
もっと長くかかったのが、京都市動物園のアジアゾウ・美都さん。

美都さんは1979年、推定8歳の時にマレーシアから来園し、
約36年間、旧ゾウ舎で過ごしました。

引っ越しやその後の様子は、
公式サイトの飼育員ブログや「どうぶつのくに.net」に連載していた
京都市動物園の「サバイディー!エレファンツ」などに書かれています。

2014年の10月に新しいゾウ舎に引っ越しをして、
ラオスから来園した4頭の子ゾウと対面させようとしたら、
美都さんはグラウンドへ出ようとせず、その後約2年間、
自分の部屋からグラウンドへ出ることが出来ない状態が続きました。

飼育員さんたちは、引っ越しや新たなゾウの存在など、
環境が大きく変わってしまったことが影響したのだと考えています。

その後、飼育員さんたちが精神的なケアも含めて、
様々な努力を重ねてきたことが上記の記録からわかります。

興味深かったのは、飼育員さんがグラウンド側からエサで呼んでも、
左の後ろ肢だけ室内に残している写真があり、
ワルダーさんたちと同じだなと思いました。

飼育員さんたちはたくさんの工夫や努力をされたので、
ここには書き切れませんが、
「ゾウの美都にサツマイモ畑をプレゼント」イベント(2016年5月)で
グラウンドに畑を作ったことが大きな進歩につながったと思われます。
美都さんが大好きなサツマイモの畑を、グラウンドに作ったのです。

すると5月のある日、美都さんはなんの前触れもなくサツマイモ畑へ突入。
しかし、担当者に見られていることに気付くと、
美都さんは大慌てで寝室に逃げ帰ってしまい、
またグラウンドへの警戒心が高まります。

その後、飼育員さんが見ていないときに、
少しずつ畑に行く様子が監視カメラに収められるようになり、
2016年10月には美都さんがサツマイモ畑で、
楽しそうにイモほりをしているところが飼育員さんにも確認されました。

引きこもりを克服した美都さんは、その後、
子ゾウ達と一緒に暮らす練習もはじめます。
京都市動物園には、1980年から2001年まで
「友」というメスのアジアゾウが飼育されていました。
美都さんにとっては、約13年ぶりのゾウとの同居。

同居の練習も簡単ではなかったと思いますが、
現在は、時には子ゾウたちにイジワルしながらも、
寄り添う美都さんの姿が見られるようになったようです。

このような例もある中で、繁殖のために
2016年9月にズーラシア(横浜市)から金沢動物園(横浜市)へ移動して
ボン♂さんとヨーコ♀さんと同居し、
2019年3月にはダーナ♂さんやアーシャー♀さんが暮らす
のんほいパーク(愛知県豊橋市)へ移動したチャメリー♀さんは、
ものすごい適応力だなと思います。

しかも、2019年4月にはゾウ舎が新しくなり、
また環境が変わったのに、4月の動画でも、
すでにかなり慣れている感じです。

↓新しい放飼場で過ごすチャメリーさんとアーシャーさん。


公式ツイッターでは、チャメリーさんが
プールで楽しく水浴びしている様子も見られました。

ダーナ♂さんは、繁殖の実績があります。
チャメリーさんともうまくいき、
また横浜でシュリーさんと遊ぶチャメリーさんが見られる日が
来ればいいなと思っています。

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2019年8月22日 (木)

新たな環境になかなか馴染めなかったゾウ その1

近年は、ゾウ舎を新しくする動きが各園でありますが、
ゾウの引っ越しはいろいろな意味で簡単ではありません。

2014年にズーラシアで開催された
「ずーじゃん。 動物園大学4 in 横浜」に参加したとき、
東山動植物園での引っ越しについて聞くことができました。
(以下、「平成25年度東山動植物園公開講座 」資料などからも補足)

通常の引っ越しは輸送箱を使うようですが、
東山の旧ゾウ舎は運動場が狭く、
輸送箱を置くことができなかったため、
ゾウたちが移動通路(22メートル)を歩いて引っ越すことに。

少しずつトレーニングをしてから、
新しいゾウ舎へと移動したようですが、
4頭すべての移動が完了するまでに
3か月ぐらいかかりました。

好奇心旺盛なオスのコサラ君(当時9歳)は、
トレーニング開始から10日目には新ゾウ舎の運動場に入り、
その翌日には室内に入ったそうです。

面白かったのは、好奇心旺盛でありながらも、
ちょっとビビッていた部分もあり、
コサラ君は後ろ向きで進んでいったという点。
(移動路は幅2メートルぐらいなので、
途中で向きを変えることができません)

なんで後ろ向きなんだろう?と思っていたら、
「ずーじゃん。」ポスター発表の後、ズーラシアの飼育員さんに
質問することができました。

ゾウは真後ろ以外なら後ろも見えているので、
後ろ向きで「新しい場所」をチェックしながら進んで、
もし、何か危険があったら、
「古い場所=安全だとわかっている場所」へ
全力で戻れるように後ろ向きなんじゃないか、とのことでした。

アヌラさん(当時11歳)とさくらちゃん(当時1歳)の親子は、
さくらちゃんが11日目にはアヌラさんを残して新ゾウ舎の手前まで行って、
また戻ってくることを何回も繰り返すようになっていました。
慎重なアヌラさんは少しずつ進み、
トレーニング開始から64日目に新しい運動場に、
約70日目には寝室にさくらちゃんと一緒に入ることができたそうです。

一番たいへんだったのが、最年長のワルダーさん(当時41歳)。
なかなか前に進まず、進んでも途中で止まってしまったりして、
新ゾウ舎のオープンには間に合いませんでした。

Photo_2
移動路の入り口で、後ろ脚だけは古い運動場に残しているワルダーさん。
(2013年7月 東山動植物園にて撮影)

上の写真は、引っ越し前のワルダーさんを撮影したものです。

エサで誘導しようとしても、
最初のうちは絶対に後ろ脚は移動路に入れなかったので、
この状態で体を伸ばして、
腕立て伏せをしているような体勢で
エサを食べていたそうです。
ちなみに、慎重派のアヌラさんも、
同じようにしていたとのこと。

107日目には、進んだらゲートを閉めて後ろに戻れないようにして、
少し進んだら鉄パイプを挿し込んで戻れないようにしましたが、
途中で暗くなってきたので、飼育員さんも付き添って
そのまま移動路で一晩過ごすことに。

一晩中立ったままでいたので疲れたのか、
翌朝には自分から新ゾウ舎の運動場に入っていったとのこと。
しかし、寝室に入れるようになるまで1週間運動場で暮らし、
寝室に慣れると今度はまた運動場に出られなくなってしまい、
運動場に出る練習が必要になるなど、その後も大変だったようです。

他園では、もっと長くかかった事例もあるので、それは次回に。

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2019年8月21日 (水)

他のゾウとの同居で体調を崩したゾウ

前回は、仲間を失って体調を崩したゾウの事例を紹介しました。

しかし、飼育下ではその逆の例もあります。
例えば、姫路市立動物園のアジアゾウ・姫子さんです。

国内でのゾウの繁殖を目指して、
アジアゾウに関してもいろいろと動いています。
しかし、なかなか思うようにいきませんし、
移動に関連して、様々な問題も浮上しています。

姫子さんは2013年6月に、ブリーディングローンにより
神戸市立王子動物園へ移動となりましたが、
体調を崩して9月に姫路へ戻りました。

姫子さんは1977年(推定)にタイで生まれ、
1歳で日本の移動動物園に引き取られたようです。
その後、その移動動物園が閉園し、
1994年10月、姫路市立動物園に来園。

移動動物園の詳しいことはわかりませんが、
おそらく、ゾウは1頭しか飼育していなかったと思われます。
もし、この期間にゾウとの交流があったとしても、
姫路市立動物園に来てからは、ゾウとの出会いはなかったようです。

「産経ニュースWEST」(2013年10月14日付)にあった
『夫とすれ違い、ストレスで子づくり断念、
〝結婚〟3カ月で出戻り…アジアゾウ「姫子」の今後は』
という見出しの記事には、

(到着して)約1カ月後、同じ雌の「ズゼ」(推定23歳)の部屋で
格子越しに間近で3日間過ごさせた。
姫子は隅の方に逃げるそぶりもなく、格子の近くにいる時間も多く、
「交流したがっている」(姫路の飼育員)ようにもみえた。

とあり、マック♂とも同様に4日間、格子越しに生活させましたが、
大きな問題は見られなかったそうです。

記事は、「その後、格子を外してマックと生活させ始めたところ、
異変が起きた」と続いています。

マックが鼻を姫子にすり寄せると、
姫子は喜ぶどころか下を向き、困惑した様子を見せたのだ。
「他のゾウとの交流がなく、鼻をすり寄せること自体を
コミュニケーションだと思わなかったかも」と飼育員は振り返る。

それから姫子さんはストレスを感じ始めたようで、
食欲不振や軟便など体調不良が続き、一時は不眠症にも陥ったとのこと。
横たわった状態から起き上ろうとして激しく地面に倒れ、
体のあちこちにすり傷もできたそうです。

体調不良→回復→体調不良…を繰り返し、
姫路ではなかった不安定な日々を送る姫子をみかねて、
飼育員さんたちは「これ以上は耐えられない」と判断し、繁殖を断念。

「『もう少し様子を見れば改善された』とはいえないほど、
体調は落ち込んでいた」と姫路側の職員は語り、
姫路に帰った姫子さんは、戻った直後は戸惑っていたようですが、
翌日からはゾウ舎の庭に出て来園者に元気な姿を見せたとのこと。

姫子さんは、ゾウ1頭での生活があまりにも長すぎたのだと思います。
コミュニケーションの仕方もわからなくなっていたので、
当時、推定36歳だった姫子さんには、今さら他のゾウと暮らすことは、
大きなストレスとなってしまったのでしょう。

姫路市立動物園の「姫Zooぶろぐ」で2013年までさかのぼると、
姫子さんが王子動物園で過ごしていたときの様子が書かれています。

姫子さんの場合、環境には慣れることができたようで、
王子の放飼場にあるシャワーも使えるようになっていて、
自発的にスイッチを押し、一度押し始めると何度も押してしまうので
「水道代が・・・」と、王子動物園に申し訳ない気持ちも綴られていました。

下の写真は姫子さんではありませんが、
スイッチを押してシャワーを浴びるズゼさん。
姫子さんも、こんな風にシャワーを楽しんでいたのでしょうか(^^)。

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ズゼさん(2017年7月 王子動物園にて撮影)

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ズゼさん。(2017年7月 王子動物園にて撮影)

ゾウはとても繊細です。
環境の変化に対応するのが難しい個体も多くいます。

その事例については、次回に。

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2019年8月20日 (火)

仲間を失って体調を崩したゾウ

前回の記事で、1頭になってしまったマオさんについて触れましたが、
仲間を失って体調を崩した象の事例がありました。

宝塚ファミリーパーク閉園後に、
韓国のソウル大公園にある動物園に移動した
「サクラ」というアジアゾウの例です。

以下は、韓国のニュースサイトなどを翻訳サイトを使って調べたので
間違いもあるかもしれませんが、とても興味深い事例なので紹介します。

2003年に韓国へ渡ったサクラさんは、
ソウルの動物園でGiantというオスとペアになり、
繁殖が期待されていました。

しかし、サクラさんはGiantには目もくれず、
隣で飼育されていたRicaというアフリカゾウに恋をしてしまい、
柵越しに鼻を絡ませ合う様子はテレビなどでも取り上げられたそうです。

Ricaについて調べると、
英語の記事では「female」となっているものがあるのですが、
韓国語の記事で確認するとオスのようです。

いずれにしても、かなわない恋だったのですが、
2008年にRicaが死亡し、2009年にはGiantも死亡。
さらに、担当していた飼育員さんも退職されてしまったようです。

それからサクラさんは体調を崩してしまい、
よりよい環境で暮らした方がいいのではないかと考えて
2013年に「サクラ里帰りプロジェクト」を立ち上た人たちがいました。

里帰り先は、タイの「Elephant Nature Park」。
ただ、これにはいろいろな意見が出たようで、
プロジェクトのサイトをチェックしましたが、
2013年で更新が止まっていて、
どうなったかの報告もなく放置されていました。

現在もソウル大公園の動物園にいるということは、
タイへ送ることではない形で、
サクラさんが元気になる方法を考えようということになったのでしょう。

ソウル大公園の動物園には当時、
Kanto♂&Kima♀、Gajaba♂&Sugella♀という
2組のアジアゾウも飼育されていましたが、
繁殖のことを考えてサクラさんとは別に飼育されていたようです。

しかし、サクラさんにも仲間が必要だと考えて、
Kima♀と一緒に飼育するようになったところ、
サクラさんは元気になっていったようです。

そして、2016年にGajaba♂&Sugela♀の間に赤ちゃんが誕生。
翌年に、「プールに落ちた赤ちゃんゾウを2頭で助けた」ことが、
日本でも話題になりました。
(ブログ内関連記事&動画はこちら

この映像に出てくる大人のゾウがSugela♀とKima♀で、
やはり奥でオロオロしているゾウがサクラさんだと思われます。

その後、2018年にKanto♂とGajaba♂が死亡し、
現在、54歳となったサクラさんは、
Huimang♀(3歳)、Sugela♀(15歳)、Kima♀(推定38歳) と一緒に飼育されています。

2019年7月22日に公開された「ARIRANG NEWS」の動画で、
動物園の動物たちが紹介されています。
0:45ぐらいからゾウが登場し、1:08ぐらいの映像で
一番大きいのがKima、右奥にいるのがサクラさんだと思います。

これ、夏の暑さ対策の映像ですが、
1:58頃にアムールトラがワラワラと出てくるのがけっこう衝撃的です。
たぶん、2018年5月に生まれた子どもたちとお母さんだと思いますが、
子どもたちはもう、かなり大きいサイズ。
このような同居が見られるのも、あと少しではないでしょうか。


 

Kanto♂とGajaba♂が続けて死亡した件については、
Gajabaの方はまだ14歳だったのに急死。
死亡直後の記事によると、原因ははっきりわからないようです。

Kanto(推定40歳)については、以前から足の疾患があったようですが、
2018年に入ってから急速に悪化して、治療を行っていましたが死亡。
正確な死因については、解剖してみないとわからないと
死亡直後の記事に書かれていました。

オスが続けて死亡してしまい、現在同園で飼育されているのはメスだけです。

MBNのWebニュース(2018年8月20日付)に
「코끼리 발톱 깎아주는 남자…출근해 첫 업무는」
というタイトルの記事があり、サクラさんのことが書かれていました。

飼育員さんからハズバンダリートレーニングを受けていて、
足のお手入れなどをしっかりやってもらているという内容でした。
飼育員さんとの信頼関係もできているようで、
大切にされていることがわかります。

ソウル大公園の動物園では、2013年にアムールトラの脱走による
死亡事故が発生したことを受け、飼育環境の改善が行われて
トレーニングなども取り入れられるようになったようです。

サクラさん、仲間と暮らせるようになり、元気になってよかったです(^^)。
やはり、仲間と暮らしていた経験があるゾウには
仲間が必要だという事例だと思いますが、
動物園で暮らすゾウにとって、
必ずしもそれがよい方向へいくとは限らないという事例もあります。

それについては、次回。

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2019年8月19日 (月)

国内で飼育されているアフリカゾウの繁殖計画

国内で飼育されているアフリカゾウに関しては、昨年、
仙台市八木山動物公園、秋田市大森山動物園、
盛岡市動物公園の3園で協力して、
ペアや環境を変えることで繁殖につなげる動きがありました。

※以下、年齢は2018年9月の記事より
八木山:リリー♀(29歳)、ベン♂(29歳)、メアリー♀(52歳)
大森山:花子♀(29歳)、だいすけ♂(29歳)
盛岡:マオ♀(16歳)、たろう♂(28歳→2018年11月に死亡)

上記のゾウが各園で飼育されていましたが、
昨年、八木山と大森山でメスの交換を行い、
現在は、八木山で花子♀、大森山でリリー♀が飼育されています。

「組み替えたペアが繁殖行動を取るかなどを3年ほどかけ慎重に見極めた上で、
盛岡のマオを加えた組み合わせも検討する」とされていたので、
昨年の移動にマオさんは含まれていなかったようですが、
盛岡市動物公園で飼育されていた「たろう」さんが昨年11月に急死してしまい、
マオさんは1頭になってしまいました。

これまで一緒に暮らしていた仲間を失ってしまったゾウは、
体調を崩したりしやすいので心配です。

実際に、仲間を失ったストレスにより体調を崩した事例があるので
次回、書こうと思っています。

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安佐動物公園でアイさんとの繁殖を目指すタカ君。(2017年5月に撮影)


国内で誕生して現在も元気に暮らしているアフリカゾウは、

タカ♂(ヒロ♂×ワタ♀) 姫路セントラルパーク 1991年生→安佐動物公園
マオ♀(タマオ♂×アイ♀) 多摩動物公園 2002年生→盛岡市動物公園
媛♀ (アフ♂×リカ♀)とべ動物園 2006年生
砥夢♂(アフ♂×リカ♀)とべ動物園 2009年生→多摩動物公園
砥愛♀(アフ♂×リカ♀)とべ動物園 2013年生

この5頭だけです。

ブログ内関連記事「国内で誕生したアフリカゾウの今

アフリカゾウの繁殖は難しい。
それは、野生でも同じです。
メスから人気がある、大きなオスが密猟によって殺されてしまうと、
ますます難しくなっていきます。

だから日本も、象牙を必要としない国にならなければダメなのです。

そうしなければ、動物園だけでなく、
地球上からアフリカゾウがいなくなってしまいます。
需要がなくならない限り、密猟はなくならないのです。

社会貢献したいと考えている企業は、
象牙に代わる新素材が早く商品化されるように、
研究者の方たちをサポートしてください!

研究者の力だけでは、新素材を商品化することはできません。

新素材の開発については、こちらも参考に。

象牙・皮セミナー「和楽器の響きを次世代に伝えるために」 その3

 

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2019年8月18日 (日)

国内で飼育されているマルミミゾウの繁殖計画

しばらくブログを更新できなかった間に、
動物園でもいろいろな動きがあり、
気になるニュースもありました。
今さら感がありますが、少しずつ書いていきます。

昨年12月に、国内で飼育されているアフリカゾウのオスについて書き、
その中で、安佐動物公園にいるメイちゃんと
秋吉台自然動物公園にいるダイ君という、
2頭のマルミミゾウについて触れました。
(記事はこちら

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国内にいるマルミミゾウはこの2頭だけです。
ならばやはり、この2頭が一緒に暮らせるように
移動させてあげたいと思うのですが、
いろいろと事情があるのか実現していません。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

と書きましたが、今年度に入って大きな動きがありました。
(というか、私が知らなかっただけなのですが・・・)

安佐動物公園のサイトによると、
「今年度から、安佐動物公園再整備基本計画に基づく再整備(第一期)が、
広島市により、本格的に進められます。
今年度は、マルミミゾウ舎の整備が予定されており、
令和元年5月上旬から令和2年春(予定)まで建設工事が行われます」とのこと。

施設の広さなどから、私は秋吉台にメイちゃんを貸し出して
マルミミゾウのペアを作ればいいのにと思っていましたが、
安佐にマルミミゾウ舎を増築して、ダイ君に来てもらうことになったようです。

「平成29年度 広島市安佐動物公園みらい募金」の募集で、
「新たに雄を導入して繁殖を目指す計画です」とありました。
「新たな雄」について「秋吉台のダイ」とは書いていませんが、
国内にはダイ君しかいないので、ダイ君なのでしょう。

ずっとこの2頭については気になっていたので、
ペアになれるとわかり安心しました(^^)。


Photo
(マルミミゾウのメイちゃん 2015年11月 安佐動物公園にて撮影)


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2019年8月17日 (土)

【再掲】象牙の需要

ワシントン条約第18回締約国会議が、
8月17日(土)から8月28日(水)まで、
スイスのジュネーブで開催されています。

日本国内での象牙の需要について
5月に書いた記事をもう一度上げておきます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

象牙に関するツイートが議論を呼んでいるようです。
このブログの象牙に関する過去記事にも、急にアクセスが増えました。

ツイートだけを見て判断している人も多いようですが、
需要がある限り、密猟はなくなりません。
そして、日本にも象牙を必要としている人がいることは事実です。

日本における象牙の需要は、印鑑だけではありません。
三味線の撥をはじめとする、和楽器でも必要とされています。

例えば、歌舞伎などで演奏するプロ三味線奏者の方たちは
象牙の撥を使っています。

しかし、和楽器関係者の方たちが悪いわけではなく、
象牙の入手方法やルートに関する情報が届いていないことが問題であり、
音色や使い心地を再現できる代替品を作るのが難しいことも
大きな障害となっています。

新素材開発の難しさについて
象牙・皮セミナー「和楽器の響きを次世代に伝えるために」 その3

関係者の中には「今売られている象牙製品は、
禁止前に輸入されたストックから作られているから合法である」と
思っている方も多いようです。

しかし、三味線の撥は消耗品です。
しかも、どんな象牙からでも作れるわけではありません。

象牙の根元部分には、歯髄腔という空洞があります。

Img_56352
(上野動物園にて撮影)

Photo_2
空洞の部分では作れないので、
その先の部分から作るとなると、
かなり太さのある牙でなければ撥は作れません。

大きな牙を持つ象は少なく、その割合から考えれば、
ストックされた象牙の中で大きな牙の割合もそれほど多くないはずです。

「邦楽ジャーナル vol.329」(2014年6月)に掲載された、
西原智昭氏(WCSコンゴ共和国支部・自然環境保全技術顧問)による記事には、
大きいサイズの撥だと15kgの牙でも1丁作るのは難しく、
20kg相当の象牙が必要になるだろうと書かれています。

撥全体を作るには15kg以上の象牙が必要になるが、
合法的にストックされている象牙全体の平均重量は13kg未満である、
とも書かれていました。

では、どうやって新たな撥を作っているのでしょうか?
これでも、新たな需要がないといえるのでしょうか?

「邦楽ジャーナル vol.329」に記事が掲載された時点では、
まだ和楽器関係者の方たちとの話し合いがあまり進んでいない段階でしたが、
2016年には和楽器関係者も交えたセミナーが開催され、
私も参加させていただきました。

今回、関心を持っていただけた方には、
長いですがぜひ最後まで読んでいただきたいです。

象牙・皮セミナー「和楽器の響きを次世代に伝えるために」 その1

象牙・皮セミナー「和楽器の響きを次世代に伝えるために」 その2

象牙・皮セミナー「和楽器の響きを次世代に伝えるために」 その3

象牙・皮セミナー「和楽器の響きを次世代に伝えるために」 その4

象牙・皮セミナー「和楽器の響きを次世代に伝えるために」 その5

象牙・皮セミナー「和楽器の響きを次世代に伝えるために」 その6

象牙・皮セミナー「和楽器の響きを次世代に伝えるために」 その7

 

 

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2019年8月16日 (金)

『牙 アフリカゾウの「密猟組織」を追って』を読みました

「積ん読」状態の本が何冊かあったのですが、
やっと読む時間ができました。

特に気になっていた本が、
「本屋大賞 2019年ノンフィクション本大賞」にノミネートされた
『牙 アフリカゾウの「密猟組織」を追って』
(三浦英之著 小学館)。

5月に発売されたとき、衝撃的なゾウの画像がツイートされたりして、
私のブログにもアクセスが急増しました。
(そのときに書いたブログ記事「象牙の需要」はこちら

日本にはゾウが好きな人が多くいて、
動物園にゾウがいなくなると「また飼ってほしい」と言います。
しかしその割には、野生のゾウやその生息地に関して、
あまりにも無関心ではないでしょうか。

「ゾウが好き」「ゾウを飼ってほしい」と思っているなら、
今、アフリカゾウに何が起きているか知る努力をしなければ、
動物園にいるゾウたちに申し訳ないと思います。

この本を読んでわかったことは、
密猟をなくすためには、
やはり「需要をなくすしかない」ということです。

法律で定めても抜け道はできる。
アフリカには「警察に賄賂は当たり前」の国がある。
だれも象牙を欲しがらない世の中にならない限り、
密猟はなくならないのです。

「第17回 ワシントン条約締約国会議」での
日本政府の対応には呆れます。
他の国が市場を閉鎖しようとしているのに、
日本だけが残そうとして、とても恥ずかしい。

それは、環境省のサイトを見ても同じです。
「象牙等はルールを守って取引しましょう!」
と書かれたページがあり、
この見出しにも呆れてしまいますが、
ページの中にはいろいろ気になる部分があります。

「今後もアフリカゾウの保全を図りつつ、
その持続的な利用を可能とするために、
合法的に輸入された象牙のみが国内で適正に取引され、
それらが厳正に管理されることが重要です。
一人一人がルールを守ることが、違法取引を防ぎ、
アフリカゾウをはじめとする野生生物の保全につながります」

と書かれていますが、
「ルールを守りましょう!」と言って守るようなら苦労しません。


ページ内には、「象牙取引に関するよくある質問」というPDFがあります。

問3 過去に2回特別に輸出入が認められた象牙はどのように得られたものですか?
    密猟された象牙ではないのでしょうか。

⇒過去に2回特別に認められた国際的な商取引で
輸入対象となったアフリカゾウの象牙は、
自然死した個体や人を殺傷した有害獣として駆除された
個体から得られたものであり、
象牙を得るために象を殺して得られたものではありません。

「殺して得られたものでない」と、どうして言い切れるのでしょうか?
賄賂が当たり前で警察も信用できない国から運ばれてきた象牙が
殺されたものでないと、どうやって確かめられるのでしょうか?

問6 象牙の輸入が禁止されているのに、
   国内の象牙の登録本数が増えているのはおかしいのではないでしょうか?

⇒日本には、過去に合法的に輸入された象牙が多数あるため、
それらを取引するに当たって登録が行われること自体は
おかしなことではありません。

近年における象牙の取引ルールの普及や高齢者による財産の処分が、
登録増加の主な理由と推察されます。
(中略)

過去に合法的に輸入された象牙の中には
未だに登録されていない象牙も相当量あると推定されることから、
輸入が禁止されている現在でも、
象牙の登録が継続的に行われること自体は、

おかしなことではありません。

おかしなことではない???

象牙の登録に関しては、2019年7月から厳格化されたようです。
環境省のサイトには、

本年7月1日(予定)から、登録を希望する全形牙の審査は、
規制適用日以前に適法に所有したという自己申告の裏付け証明については、
「第三者の証言」のみでは登録を認めず、
「第三者の証言」及び「第三者の証言を裏付ける補強
(全形牙の放射性炭素年代測定法による年代測定結果等の
客観的に証明できる書類)」を
求めることとします。

では、これまではどうしていたのでしょうか?

朝日新聞デジタル(2019年3月22日付)
「象牙登録、7月から厳格化 採取時期の証明書必要に」
という記事によると、

「これまでは『禁止前から持っていた』などと
知人らが証言する『第三者証明』のみでも登録を認めていた。
そのため、近年は年1千~2千本登録される全形牙の95%が、
申請者の知人らによる証言で認められており、
うその証言で登録された事例もあった」

とあります・・・。

この状態で、「おかしなことではない」なんて。

「日本は密猟や違法取引には寄与していない」などと言うのではなく、
「日本はもう象牙を必要としていません!」と言ってほしい。

和楽器以外で象牙の需要は、どれくらいあるのでしょうか?
日本政府があんなことを言ってまで、象牙を必要とする理由がわかりません。

日本がするべきことは、三味線などの伝統芸能を守るために
一刻も早く象牙の代わりになる素材を開発することではないでしょうか。
そのために、研究者たちをサポートできるように
企業などにも呼びかけることが必要だと思います。

代わりの素材が開発される前に
アフリカゾウが絶滅してしまったら、
伝統芸能を守ることもできないのですから。

厳密にいえば、三味線の撥にはマルミミゾウの象牙が適しているので、
この本にでてくる地域に生息しているサバンナゾウの象牙とは
直結していないかもしれません。

しかし、密猟者にとっては、
「日本は象牙を必要としている」という情報があれば、
サバンナゾウを殺す理由になってしまうでしょう。

アフリカゾウが絶滅してしまう前に、
「日本の技術で、象牙はもう必要なくなりました!」と言える日が
1日でも早く来ることを願っています。

本に登場している獣医師の滝田明日香さんは、
以前、ズーラシアでも講演をされました。

ズーラシアでアフリカゾウの密猟に関する講演 その1(2014年6月)
ズーラシアでアフリカゾウの密猟に関する講演 その2(2014年6月)

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2019年8月15日 (木)

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