動物園&動物あれこれ

2020年10月19日 (月)

おびひろ動物園 麻酔なしでキリンの削蹄に成功

10月12日付の「北海道新聞どうしん電子版」によると、
おびひろ動物園の飼育員さんがハズバンダリートレーニングにより、
麻酔なしでキリンの削蹄ができるようになった、とのこと。

素晴らしいことですね!

簡単なことではないと思いますが、これを機に、
他の園でも取り組める環境が整っていってほしいです。

2018年の動画では、まだ前肢を上げるところまででした。

2020年10月の動画では、上の動画で言っていた目標を達成しています!

10月15日付の「おびひろ動物園公式ブログ」によると、
トレーニングを始めたころは、
削蹄の必要性はそれほど感じていなかったそうですが、
急に削蹄が必要な状態になってしまったとのこと。

もし放置していたら関節が変形してしまい、
それはキリンにとって命にかかわること・・・。

早くからトレーニングに取り組んでいたので、
命を守ることができたのです。

飼育員さんが書いたブログには、

「でもまだ私の役割は終わっていません。
この技術を伝承すること。
これが1番大変かもしれない。

いつ異動になるかわからない公務員。
伝承する時間も取れないくらい急にやってくる異動。

じゃあ誰に伝承すればいい?
みんないつ異動になるかわからないのに…」

「公務員だけど、
飼育員は飼育技術者であることを
思い知らされた。」

と書かれています。

飼育員さんの異動、
どうにかならないのでしょうか。

動物たちが幸せに暮らすためにも、
まずは飼育員さんたちの労働条件などを
改善していくことが必要だと思います。

この飼育員さんの師匠で、
ハズバンダリートレーニングの技術を広めるために
尽力している飼育員さんに関する過去記事はこちら

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2020年5月13日 (水)

オランウータンの前での食事問題

ズーラシアの公式アカウントによるツイート(5月8日)が問題視され、
それに対する園のコメント(5月9日)が出ていましたが、
その結果、問題視した人たちが悪いような流れになっていて
なんだかモヤモヤしています。

「問題だ」と考える人たちのリプライを見ても、
(ちゃんと見てないのかもしれませんが)
「問題ない」と言えてしまう人たちがいるという現実。

園のコメントには「不特定多数の人がオランウータンを前にして食事することは
確かに問題だと思います」とありますが、どんな問題なのか書かれていません。
さらに、「信頼関係がある飼育員」だから許容される範囲と判断したとありますが、
問題点を明らかにしていないのに、なぜ「信頼関係があれば大丈夫」と言えるのか、
納得できる説明にはなっていないと思います。

それにも関わらず、園のコメントを見た人たちは、
なぜ「問題ない」と判断できるのでしょうか。

「あの写真が問題視されたのは、・・・という可能性があるためですが、
それについて園としては・・・と考えています」というような形で
きちんと説明して、来園者がやらないように教育する機会だったと思うのですが、
それがなされなかったことが残念です。

しかし一方で、「オランウータンの前で食べてはいけない」理由を
誰もが納得できるように説明するのも難しいと感じました。

オランウータンの前で食べてはいけないことをきちんと説明している園は
どれくらいあるのでしょうか?

私は、円山動物園であのような掲示があることを
今回初めて知りました。
他園でもあるのかもしれませんが、
私はこのような掲示を見たことがありませんでした。

「オランウータンはとても賢いので、
食べている姿を見て、味を想像し、欲しくなります。
でも、彼らに与えることはできません。
それが彼らにとってストレスになります」

だから、オランウータンの前で物を食べないでください、
と書かれています。

しかし、「ストレス」というのは漠然としています。

例えば、「勝手に食べ物をあげてはいけない」ことは、
虫歯になったり、病気になった例をあげて
多くの園が説明しているのを見たことがあります。

ストレスによってオランウータンは、
飼育員さんに対して攻撃的になるのか?
オランウータン同士でケンカしがちになるのか?
便秘になってしまうのか?
それとも、うつ病のようになってしまうのか?
掲示には、そこまでは書かれていないようです。

実際にどのような事例があるのか知りたかったので
海外も含めて記事や論文を探してみましたが、
見つけることができませんでした。
(もっとよく探せばあるかもしれませんが・・・)

調べる中で「visitor effect」という言葉が気になったので、
ネット上で読めるものを読んでみました。

「ORANGUTAN BEHAVIOUR IN CAPTIVITY:
ACTIVITY BUDGETS, ENCLOSURE USE & THE VISITOR EFFECT.」
(CHOO YUAN TING 2011)

シンガポール国立大学の学生が書いた修士論文で、
シンガポール動物園のオランウータンを調査したものです。

かなり長いので、その中で関係がありそうな
Chapter4を読んでみたところ、食べ物のことも書かれていました。

先行研究から、類人猿のいくつかの種は、
来園者が動物と関わろうとすることでより来園者に向けた行動を見せる、
という点に着目し、2タイプの展示場で調査を行っています。

筆者が立てた仮説の1つに、
「食べ物を持っている来園者の存在により、手を伸ばすなど
おねだりの行動がより多くなる」というものがありました。

結果には「仮説通り、食べ物はオランウータンにとって非常に強力な刺激となり、
食べ物が存在するとおねだりや来園者を見ることが大幅に増加した」と
と書かれています。

しかし行動には個体差があり、おねだりが顕著に増えたのは11頭のうち2頭。
また、シンガポール動物園のオランウータンは
人間と一緒に写真撮影などを行っており、
人間との距離が近く、人間に対する恐怖心が少ないことが
「おねだり」などの行動にもつながっているのでは、とも書かれており、
動物園で飼育されているオランウータン全般に当てはまるとはいえないでしょう。

ここで気になるのが、シンガポール動物園では
オランウータンの近くで朝食を食べるイベントを行っていること。
もしオランウータンの前で食べることがよくないなら、
動物園としてこのようなイベントを行ってよいのかという疑問が出るのですが、
著者はそこには触れていません。
むしろ著者は「おねだり」を、来園者に向けたポジティブな行動として分類しています。
攻撃的な行動や常同行動の増加、あるいは親和的な行動の減少などを
ネガティブな行動と考えているようです。

そのような分類をしているので、来園者の行動は、
オランウータンのストレスの明らかな兆候とは関連しておらず、
食べ物を持つ来園者はエンリッチメントになりうるとまで言っています。
私にとって「おねだり」はポジティブな行動とは思えませんが、
シンガポール動物園の考え方が影響しているのかもしれませんし、
先行研究でそう考えられているのかもしれません。

「おねだり」をポジティブな行動と考えたとしても、
おねだりしても食べ物がもらえなければストレスになるのではないか。
それが知りたかったのですが、この論文ではそこまでは調べていません。
オランウータンの気持ちを聞くことはできませんし、
コルチゾールを測定するなどしないとストレスかは判断が難しいので
簡単には調べられないのでしょう。

結局、ストレスの問題はわからないままなのですが、
非常に賢いチンパンジーに関して、
今回の件の延長線上にあるような動画がありました。

「Smart chimp asks zoo visitors for drink」というタイトルの動画です。

 

 

「Scroll in」というサイトにあった
「How a chimpanzee at a zoo explains to a visitor that he needs a drink」
というタイトルの記事(Jul 09, 2017)によると、
このチンパンジーはイギリスにあるWelsh Mountain Zooで飼育されているそうです。

チンパンジーはレジ袋に飲み物が入っていること、
それを小さな穴に流しこんでもらえば飲めることを知っています。
だから、来園者にサインを送って、飲み物を飲もうとするのです。
途中ででてくるバナナは、穴に入らないこともわかっています。

動画に出てくる来園者は全く悪いと思っておらず、
記事もチンパンジーの賢さに着目していて
これが動物にとってよくないことだとは書いていません。

記事には動物園関係者の言葉もありましたが、
このような現場を見てスタッフが注意すると、
来園者たちは「だってチンパンジーに頼まれたから」と言い訳するそうです。
勝手に食べ物を与えている人が「だって欲しがるから」と
言い訳するのと共通しています。

来園者をきちんと教育しなければ、このような状況は避けられないでしょう。

動画のチンパンジーほどはっきりとしたサインでなくても、
「おねだり」をされたら、放飼場のスタイルによっては投げ入れたりして
食べ物をあげてしまう人が増える可能性があります。
このようなことにならないためにも
「類人猿の前で食べ物を食べたり見せたりしてはいけない」のかもしれません。

ストレスに関するわかりやすい事例がないとなると、
この問題を理解してもらうのは簡単ではないと思いますが、
このような問題こそ、遠足の事前学習などで話し合えば、
子どもたちの遠足ももっと有意義になり、
動物園でしてはいけないことなども、身についていくのではないかと思います。

私は私学で探究活動などの取材をする機会も多いのですが、
グループワークや調べ学習をする中で、児童や生徒たちは、
様々な角度から考えて、自分の意見を発表しています。
動物園へ遠足に行くなら、
このようなテーマをぜひ事前学習に取り入れてみてほしいです。
そして、どんな意見が出たか聞いてみたいです。

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2019年4月26日 (金)

ズーラシアのゴールデンターキン 複雑なメンバー表

公式サイトによると、
ゴールデンターキンの赤ちゃん(ファルコ君)は、
「4月20日(土)以降は偶数日に終日展示の予定」とのことですが、
(奇数日に出ていることもあるそうです)
どのような組み合わせででているかまでは書かれていません。
日によって、いろいろなパターンがあるようです。

Dsc_8730

私が行った日は3頭で展示されていました。
そして展示場前には、このような紹介があります。

Photo_1

これを見た来園者(ターキンをよく知らない人たち)からは、
「へー、基本的に1頭で展示しているのに、今日は3頭でラッキーだね」
「キンタツーはどれだろう?」という声が何度も聞こえてきました。

なぜそうなってしまうのか、推測してみました。

Photo

たぶん、まず、最初に目に入ってくるのが
キンタツーの名前とこの部分なのです。
この日出ていたのは3頭なので、キンタツーではないはずなのですが、
キンタツーがいると思ってしまうようです。

さらに、初めてターキンを見る人たちには、
オスとメスの区別もつかないので、
あの中にいると思ってしまうのでしょう。


Img_0798

「色枠ごとの組み合わせで展示を交替しています」が
一番下に書かれているので目に入りにくく、
交替展示であることがわかりにくいのだと思います。

さらに、メイさんの上あたりに、
「1頭~4頭で展示しています」と書かれています。
この日は3頭でしたが、ロウ君が加わって4頭の日もあれば、
ロウ君などが1頭だけの日もあるかもしれないということで
とても複雑です。

この表は、「1枚の表で毎日対応できる内容」を
考えぬいて作られたのだと思います。
飼育員さんにとっては、当番表1つでも、
毎日変えるのは仕事が増えて大変なのでしょう。

しかし、「常用」と「わかりやすさ」の両立は
なかなか実現できないのではないかと思います。

飼育員さんや動物園によく行く人は
この表をすぐに理解できると思いますが、
ターキンや展示の交替制についてよく知らない人にとっては
パッと見て理解するのは難しいようです。

金沢動物園で見たカモシカのメンバー表は、
毎日変えるのは手間がかかると思いますが、
とてもわかりやすく、他でもあったらいいなと思いました。

Img_0745

その日出ている個体がはっきりわかり、
バックヤードにいる個体についても知ることができ、
それぞれの特徴や見分け方なども書かれています。

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2019年4月23日 (火)

「東京動物園協会野生生物保全基金」報告講演会

ココログのリニューアルからもう1ヶ月以上経つのに、
まだ不具合が多数あります。

不具合の中でも、保存するとhtmlが変わってしまうことに困っていて、
古い記事に追記したくてもhtmlが変わってしまって
変なレイアウトになるのでいじることができません。

この講演についても、不具合が改善されたら書こうと思っていたのですが、
改善されないので短めに書いておきます。

3月に上野動物園で開催された
「東京動物園協会野生生物保全基金」報告講演会に参加させていただきました。

講演は4つありましたが、
「ハシビロコウの生理状態と行動パターン
飼育下での繁殖に向けて」という講演について書いておきます。
(発表:岐阜大学応用生物科学部准教授 楠田哲士氏)

Dsc_8006  

日本ではまだ繁殖に成功していませんし、
飼育下での繁殖成功例はベルギーとアメリカのみ。

研究室では、糞に含まれるホルモンの増減などを調べ、
雌雄を同居させるタイミングを研究しています。

ハシビロコウの生息地は南スーダンなど、
アフリカの赤道直下。
雨季と乾季があること、気温や日照時間など、
飼育環境も現地に近いことが重要なのだそうです。

上野や千葉など、屋外の飼育だと
雨季と乾季の再現や日照時間の調整は難しいですが、
「那須どうぶつ王国」で、生息地の気候に近づけるために、
様々な取り組みを行っていくそうです。

まだ結果が出たわけではありませんでしたが、
繁殖の成功を目指すということは
動物たちがより快適に過ごせることにつながると思うので、
動物たちが今よりっもっと快適に暮らせるように
研究結果が活かされればいいなと思いました。

他の動物に関しても、ぜひ応用していってほしいです。

研究に興味を持った方は、
「動物繁殖学研究室」のサイトもチェックしてみてください!

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(2019年3月 上野動物園にて撮影)

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2019年3月15日 (金)

国内最後のガウル 訃報

金沢動物園(横浜市)の公式サイトに、
「ガウルのイチゴが3月7日に死亡した」というお知らせがありました。
死因は肺炎とのこと。

国内でガウルを飼育していたのは同園のみで、
イチゴさんは最後の1頭。

昨年12月頃から採食量が減っていたとのことで、
私が先月行ったときは非展示でした。

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(2016年3月撮影)

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(2016年11月撮影)

リリースによると、
ガウルの導入は1985年に2頭。
繁殖に成功して2001年~2003年には5頭となり、
2006年頃から減少。
これまでの繁殖実績は9頭とのこと。

繁殖に成功しても、
子どもたちのパートナーを新たに導入することは
できなかったのでしょう。

このような発表がある一方で、
東山動植物園から
「新たにジャングルキャットのペアが来園した」
というお知らせがあり、
とても複雑な気持ちになりました。

ジャングルキャットの飼育は、
現在、国内では同園だけです。

少し調べてみましたが、
1977年に天王寺動物園にジャングルキャットが来園し、
1978年に日本で初めてジャングルキャットの繁殖に成功。

しかし、現在、同園にジャングルキャットはいません。

2010年前後に、とくしま動物園にもペアがいたようですが、
やはり現在はいません。

また、同じことが繰り返されるのでしょうか・・・。

どのような経緯で導入が決まったのかわかりませんが、
「他園では見られない希少種」の導入に頼らなくても、
今いる動物たちが生き生きと、幸せに暮らせるように
環境を整えることでも集客につなげられるはずです。

例えば、大牟田市動物園は、
ハズバンダリートレーニングや
エンリッチメントを取り入れてV字回復しています。

このような園館が増えるためには、来園者側も、
珍しい動物だけに目を向けるのではなく、
飼育員さんたちが努力している部分にちゃんと目を向けて
評価することが必要なのだと思います。


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2019年3月13日 (水)

ヘンリードーリー動物園のエンリッチメント

1月にBSプレミアムで放送された
「探検!世界の動物園の舞台裏 
アメリカ・ヘンリードーリー動物園」を
録画してあったのですが、
なかなか見る時間がなくて、やっと見ました。

健康管理のためのトレーニングや
フィーダーなどのエンリッチメントを
積極的に実施していたので、
番組で紹介されたもの以外で
どんなことをしているか探してみました。

「Omaha's Henry Doorly Zoo and Aquarium」
オフィシャル動画より。


ツチブタ用。最初は戸惑っていますが、
1分15秒ぐらいから、うまく使えるようになっています。

国内で飼育されているツチブタの多くは
「夜行性動物館」で展示されていて、
とても退屈そうな印象なので、
ぜひ、エンリッチメントを取り入れてほしいです。


ミーアキャット用。
通販番組っぽい動画なので、ぜひ音ありで(^^)。


ペンギン用。
取り出すの難しそうですが、
あまり穴が大きい意味がないので
あれぐらいがちょうどよいサイズなのでしょう。


ダイアナモンキー用ですが、失敗例だと思います。

もう少しでうまくいきそう・・・と思っていたら、
予想外の行動に出て
飼育員さんが思わず「No~!」と笑っています(^^)。

こんな風に試行錯誤を重ねて
いろいろなフィーダーを作っているのでしょう。

飼育員さんたちが動物たちの反応を見て、
「次はこうしよう」などと知恵を出しあっていく様子が
想像できます。

簡単にエサが食べられるようになっては
意味がなくなってしまうので、
慣れたらまた新しいものを考える・・・と番組で言っていました。

日本の動物園でも取り入れている園はありますが、
まだまだ少ないと思います。


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2019年3月 6日 (水)

クロサイの闘病記

日立市かみね動物園の公式ツイッターに
「26日にクロサイのマキが亡くなりました」
というツイートがありました。

そして、2019年2月27日付のスタッフブログには
「マキのこと、命のこと」というタイトルで
3年間の闘病について詳細に綴られています。

とても重要なことがたくさん書かれているので
ぜひ直接ブログを読んでほしいのですが、
死因がとても衝撃的だったので概要を書いておきます。

当初は、貧血や腎臓への負担が疑われたが
はっきりとした原因がわからず、
対症療法として、投薬や皮膚炎の治療を行い、
水分補給を促すような飼育管理の工夫を実施。

しかし、症状が出ていないオスのメトロも
血液検査で同じような結果となったため、
原因の特定、継続的なモニタリングが必要と考え、
血液検査や飼料の検査ができる予算を獲得。

そして、論文を調べたり、
他園館(国内外)をはじめ、大学、
近隣動物病院や家畜保健所などにも相談し、
2年間かけてたどり着いたのが、
「飼料による慢性高Ca血症からくる多臓器不全」である
可能性が高いという結論。

つまり、エサが原因で血液内のカルシウムが高くなり、
その影響が腎臓や肝臓に出た可能性が高いということですが、
そのエサは、当時国内では「サイにはこの餌をあげたほうがいい」と
言われているエサだったそうです。

よいと思ってあげていたエサが原因だったなんて・・・。

これまで、ここまで調べた園館はなかったと思うので、
死因がはっきりとしていない個体に関しても、
エサが原因だったケースもあるのではないでしょうか。

例えば、今年2月7日に天王寺動物園のクロサイ、
トミーが36歳で亡くなり、
2月7日付の産経WESTには、
「死因は解剖して調べているが、担当者は
『高齢であることと、肝臓の機能が弱っていたことが影響したとみられる』
としている」とありました。

その後の死因に関する発表を探してみましたが、
今のところ見当たりません。

高齢とはいっても、推定52歳で他界した
安佐動物公園のハナさんと比べると、
「老衰」と考えるにはまだ若いようにも思えます。
しかも、「肝臓の機能が弱っていた」とあります。

天王寺動物園ではどのエサを使っているかわかりませんが、
もし、かみね動物園が使っていたエサなら、
他の個体への影響が心配です。

今でもそのエサを使っている園館があるなら
今回の情報を共有して早急に対応すべきですが、
国内全部の施設で情報を共有できる仕組みは整っていないようです。

なぜ整っていないのか、一般人から見ると不思議です。
みんなが必要だと思えば、なんとかして整えようとする動きが
あると思うのですが、ないのでしょうか?

今回、獣医さんが詳細に報告してくれましたが、
担当の動物が死亡してしまった場合は、
救えなかったことを「恥」と考えて隠したいと思う人もいるのでしょうか?

あるいは、自分たちには自分たちのやり方があるから、
他園からのアドバイスには耳を貸す気もないのでしょうか?

他園をライバル視して「負けたくない」とか、
「差別化したい」などの気持ちが強く、
「自分たちのノウハウは教えたくない」
などと思っているので話が進まないのでしょうか?

それぞれの園館に、いろいろな事情があるのかもしれません。

しかし、飼育動物は「商品」ではありません。
お金を出して購入したとしても
その園館だけの「所有物」と考えてはいけないと思います。

園館の垣根を取り払って協力し合い、
病気やケガの情報は早急に共有し、
動物たちが健康で幸せに暮らせる環境を整えていかなければ、
また同じことが起きてしまうかもしれません。

今のままでは、園館や飼育担当者によって差がありすぎて、
繁殖での移動や担当者が変わることにより、
環境がガラリと変わって元気をなくす・・・などということも起きています。

かみね動物園の獣医さんが発信したことをきっかけに、
情報共有の仕組みができることを願っています。

かみね動物園では、エンリッチメントや見せ方に関しても
以前から手作りでいろいろな工夫をしています。

「パンダ誘致」についてニュースなどで話題となっていますが、
なんだか「逆」の流れのように感じます。
茨城県知事は、同園の取り組みをちゃんと見ているのでしょうか?

200万円も「パンダ誘致」の予算として計上するより、
同園の様々な取り組みに注目して、
飼育員さんや獣医さんたちの努力が報われるように、
そして今いる動物がより幸せになれるようにお金を使ってこそ
「茨城県」としての魅力アップにつながるように思います。

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2018年10月30日 (火)

智光山公園こども動物園 ヨーネ病の最終報告

前回の記事で書いたヨーネ病について、
狭山市立智光山公園こども動物園の公式サイトに
最終報告が掲載されていました(2018年10月29日付)。

検査を続けた結果、
感染の疑いがあった残りのトカラヤギ6頭も
感染していることが判明し、
10月23日までに感染個体全てを安楽死させたとのこと。

11月6日(火)~12月16日(日)まで、
クッキーなど11頭の献花台を
園内レクチャールームに設けるそうです。

とても残念な結果となったことに
心が痛みます。

11頭の死を無駄にしないためにも、
クッキーがなぜ感染したのかが気になりますが、
感染源を調べるのは難しいようです。

ヨーネ病について調べてみたところ、
半年から数年にも及ぶ長い潜伏期間を経てから
発症することが多く、無症状の時期に、
ヨーネ菌が排菌されることもあるそうです。

母子感染の確率が高いとのことで、
クッキーの母親について調べてみたら、
母親のマカロンは「腰麻痺」を患い
2016年10月3日に死亡したとのこと。

マカロンは2011年4月25日に上野動物園から
智光山公園こども動物園に移動となっていますが、
上野動物園でヨーネ病の報告はないようです。

今回のような悲しいことが2度と起きないためにも
各園や施設で情報を共有してほしいです。

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(2016年8月 智光山公園こども動物園にて撮影)

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2018年10月 3日 (水)

反芻動物のヨーネ病

少し前になりますが、
智光山公園こども動物園の公式サイトに
「7月6日に死亡したトカラヤギのクッキーの死亡原因を調べたところ、
ヨーネ病という法律で定められた伝染病であることが分かりました」
(2018年8月9日付)というお知らせがありました。

この病気は反芻動物すべてに感染するそうで、
同園の反芻動物全頭(マーコール、ヒツジ、ヤギ)を検査したところ、
トカラヤギのタルトとチョコが感染していることが判明。
治療法がなく、同居しているヤギなどにもうつる病気であるため、
8月2日に2頭は安楽死となったそうです。

この病気はヒトには感染しないけれど、
病原菌が人間を介して広まる恐れもあるため、
ヤギ、ヒツジのふれあい及びエサやりは当面中止。

ヨーネ病は進行が遅いため、
検査は1回だけでなく今後も定期的に行うとのことで、
9月4日付のお知らせでは、
8月も検査を実施したところ、
トカラヤギのキャラとカカオが感染していることが分かり、
8月29日に2頭は安楽死となったとのこと。

まだ、トカラヤギの6頭に感染の疑いがある状態で、
検査は今後も定期的に行っていくそうです。

ふれあいやエサやりの再開については、
今後の検査の結果を踏まえ改めてお知らせするとのこと。

Dsc_4131
(2016年8月 智光山公園こども動物園にて撮影)

「ふれあいコーナー」などで
ヤギやヒツジに触れる機会も多くなりましたが、
ヨーネ病というものは初めて知りました。

有効なワクチンや治療法もないとのことで、
ヨーネ病の発生があった場合、
法律に基づき感染した個体は殺処分となることが決まっています。

感染の疑いがある6頭が、感染していないことを祈ります。

同園での最初の感染源がわかりませんが、
人間によって広まる可能性があることは
知っておくべきだと思いました。

とても悲しいお知らせですが、
動物園側はこのようにきちんと公表することが大切です。

そして来園する側も、ただ「悲しい」と思うだけではなく、
動物とのふれ合いには、このようなリスクがあることを
頭に入れておかなければならないと思います。

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2018年9月29日 (土)

いしかわ動物園のコビトカバが東山動植物園へ

2016年12月にいしかわ動物園で生まれた
コビトカバのミライ君が、10月中旬に東山動植物園へ移動するとのこと。

東山からはコウメちゃんが神戸どうぶつ王国へ移動となり、
何らかの動きがあるだろうとは思っていましたが、
ミライ君がもう婿入りなんですね。
繁殖できるようになるのは、4歳~5歳とのこと。

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(2017年4月 いしかわ動物園にて撮影)

ミライ君が誕生したときは、ペアになるのは
上野のナツメちゃん(2011年6月22日生)かなと思っていましたが、
東山のコユリちゃん(2009年6月22日生)でしたね。

飼育スペースの問題など、いろいろ事情があるのでしょう。

ちなみに、ミライ君のお母さん、ノゾミさんは、
2010年11月23日生まれ。
ということは、コユリちゃんはお母さんより年上。
お父さんのヒカル君は2010年11月1日生まれなので
このペアは同じくらいの年。

コユリちゃんの両親は、
エボニーさんが1989年12月1日生まれ、
ショウヘイさんが1990年11月19日生まれ。

年の差がある場合は、どうなのでしょうか・・・。

まずは無事に移動でき、2頭が仲良く過ごせるといいですね。

コビトカバの血縁関係に関する記事はこちら

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